退職願、再び
退職願を提出してきた。
近頃は毎日のように退社が22時を過ぎており、ほとんど自分の時間がない状態が続いている。先週などは土曜日も出勤した。寝ても疲れが取れないことと、平日の気分が大体暗いことに悩んでいる。これも提出を心に決めさせる要因の一部だった。
そういえば1年前にも退職願を出していた。その時は衝動で出したのもあって、引き留められてから今日まで続けてきたが、もうそろそろ良いかという状況にある。いつまでも時間を搾取されている場合ではないのである。
書店で白封筒を買ってきて、本文はネットで調べながら書いて、直属の上司に提出した。ところが、この上司がとても嫌そうに「めんどくせぇ」「いらない」「返す」「持ってて」と、受け取らない仕草を見せた。いつもの私ならそこで「はぁ…」などと曖昧に返答して、自分の手元に引っ込めるところだ。
しかし、今回はそうはさせなかった。白封筒を返そうとする上司の腕を掴んで押し返した。そうやって無理矢理にでも受け取らせた。これは私にとっては「初めて上司に抵抗した」という意味で、大きな一歩だと思っている。上司は渋々受け取って机の中に入れていた。
心配なのは、そういう受け取り方だった為、スルーされてしまうのではないかという点だ。無視されては私も困るので、ちょくちょく話を持ちかけていく。引き留められたとしても、今回は引くつもりは毛頭ない。この場を去らねばならない理由は存分にある。
怒鳴りスルーを達成した
自分でも不思議だと感じたことがあった。
朝から完全に八つ当たりみたいな怒鳴られ方をされた。しかし私は、その最中の受け答えも、終わったあとの気分も、いつもより落ち着いていた。しかも、若干の笑みを浮かべる余裕すらあった。おかげで、怒鳴られた後でも、普段と変わりない心持ちで仕事を進めることが出来た。
だが、これは何故だろうか。ついに心がマヒでもしたんだろうか。まあ、気分に障害が出ないのは良いことだ。何故なら、いつもの私なら、怒鳴られたことをズルズルと気にしてしまい、それを理由にその日の仕事に例外なく支障をきたすからだ。しかし、そういう負の感情が、今日は無かった。理由はよく分からないが、気分がいい。
それにしても、驚いた。経営者側から我々従業員に向かって「俺はお前達の奴隷か?」と言い放つとは。心の中で笑ってしまった。そんな余裕をも感じた1日だった。1日が終わる今、振り返っても実に不思議だ。
落ち着ける環境づくり
今は日曜日の夜だ。普段と変わりなくパソコンデスクで読書をしていたのだが、何となしに自分の部屋を「出来る限り暗く静かにしよう」と思いついた。そこで、パソコンと明かりを消して、買っておいたロウソクに火を灯して読書を再開した。
その効果はかなりのものだった。集中力が段違いだ。パソコンの前に居ると、どうしてもそちらへ注意が向く。ファンの音も常にするので気が散るといえば散る。だが、それをなくしてしまえばそちらへ注意を向ける力も不要になる。とても良い環境だった。
読書を目的としなくても、この環境に身を置く事は理想だなと思ったので、ロウソクの明かりだけで過ごしていたときのことを少しメモしておいた。
- 虫の声がほどよく聞こえる
- そよ風が入ってきて気持ちが良い
- 月がとても明るい
- TVもPCも蛍光灯もOFF、明かりはロウソクだけ
- 時折電車の音が聞こえるがさほど気にならない
- 隣人の生活音がする
- すぐそばが大きな国道なので窓を開けていると車の音が耐えない
ざっとこんな感じだ。そんな部屋(車の音の理由で窓を閉めたためそよ風無し)で、座布団に座り、足を伸ばし、腕を机に預け、眼を閉じるかロウソクの灯をボンヤリと見ると、あらゆる雑念を忘れて非常に落ち着いた気分で過ごしている自分を感じられた。日曜日の夜によくあるストレスとは無縁の心理状態になれた気がした。
そしてロウソクが消えてから分かったが、月明かりとはこんなにも明るいものだったのか。普段意識していない所から癒しを得られたのであった。いずれこのように、ストレスと絶縁し、自然に目を向けられ、雑音が少ない静かな環境に身を置きたいものだと思った。
だが、そんな環境下で読んでいた本は、文春新書の「サイコパス」だ。